歩く人たち
日本を出た頃。
それはもうかれこれ二年半ほど前のことなのだけれど、ぼくは大陸の徒歩横断中には少なくとも5回は別の大陸徒歩横断者とすれ違うことになるだろうと想定していました。
田舎の国道を歩いてる最中、道路の先からだんだん大きくなる人影があって、誰やろう?面倒な奴ならいややなあなんて思いながら近づいてみるとそれはバックパックを担ぎ、なにやらわけのわからない荷車を引いている徒歩旅行者。
「あれ?もしかして、あなたも徒歩旅行者ですか?奇遇やなあ、ミートゥーミートゥー。あなたはどちらへ?北京ですか?そりゃあいい。なんならぼくの実家に勝手に住んでもらっても構わないから京都をゴールにしてみません?日本は現地人全然話しかけてこおへんし楽すぎて退屈するやろうけど、まー良いとこですよ。安全やし。」
ぼくは欧米人徒歩旅行者と立ち話をするだろうと思っていました。
「テントの底をウサギにかじられたんだよね」とか「ハーブが密集して生えてるとこにテント張ったら、翌朝には鼻がバカになってたんだよね」とか言う話に「あるあるー」って言いたかったのです。
しかし。
実際に大陸の徒歩横断を始めてから道中に出会えた徒歩旅行者なんて全くの皆無で、ぼくが他の旅行者に「道中、大陸の徒歩横断者に5人は出会えると思ってるんですよね」とか言うと「いや、そんなには歩いてる人って居ないと思うよ」と言われてしまう始末。
最近では歩いていたって、そうゆう人に出会える予感すらしない。
そして歩きながら、そんな現状をたびたび思っては「もし、今世界中で自分だけがユーラシア大陸の徒歩横断をやってるんやとしたらそれってとても寂しいことやな」とぼくは少し悲しい気持ちになるのです。
やっぱり冒険って言葉はもう時代錯誤なんやろうか。
そして、そんな時に現れた二人のナイスガイ。

奇跡的な出会いにお互い狂喜乱舞。
まあ彼ら、べつに大陸横断はしてないねんけど。
※彼らはベルギーからイスラエルまで歩行中のベルギー人の兄弟。








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ルパン三世が映画「カリオストロの城」で乗ってたのはこの車。
フィアット500。めっちゃちっこい。


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ベネチア近郊のキャンプ場。


なんとプール付き。

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キャンプ場ではテントを使わずにバンガローのドミトリーに宿泊したのだけれど、同部屋にインド人発見。
名前はアミタブ。
音楽関係のコンサルティングの仕事をやってるらしく、えらく裕福。
一ヶ月間ヨーロッパを自由旅行しているインド人というだけでその豊かさは十二分に伝わると思います。

<写真>
ベネチア島内へ。






目え怖い。


2009.05.22 (Fri) 02:19